はじめに
Webエンジニアへの転職を目指すようになってから、いろいろなテキストを読むようになりましたが、テキストによっては同じ単語でも長音が付くもの付かないものにしばしば出逢うようになります。例えば(ブログのタイトルにありますが)「コンピューター」と「コンピュータ」、「エディター」と「エディタ」とか。
初めは「人、それぞれ認識や書き方があるんだろうな」と思っていたのですが、何度も目にすると「結局のところ、どちらの表記が正しいのだろうか?」と気になってしまいましたので調べることとなりました。
そもそも「長音」とは何か?
長音(ちょうおん)とは、日本語の音節で、母音を通常の倍にのばしたものを言います。音声学的には長母音です(そういうものだと思ってください)。
例えば、「おかあさん」の「かあ」の部分は「かの長音」といいます。平仮名だと「いもうと」「おかあさん」などで表記されることば(「う」「あ」)が長音となります。カタカナだと「シール」「ロープ」など「ー」で統一されることが多いです。
長音は正式には長音符(ちょうおんぷ)、長音符号(ちょうおんふごう)、長音記号(ちょうおんきごう)または音引き(おんびき)と言い、「ー」は一般的に「伸ばし棒」や「棒引き」と呼ばれています。
長音の付く単語と付かない単語
では、「コンピューター」と「コンピュータ」、「エディター」と「エディタ」のように、単語の最後に長音が付くか付かないかはどう決まるのでしょうか。
これは、その単語がどの言語から来ているか、またはその単語がどのように使われているかによります。例えば、「コンピューター」は英語の「computer」から来ています。英語では、「computer」の最後の「er」は長い音で発音されます。そのため、日本語では「コンピューター」と長音を付けて表現します。
しかし、実際には、「コンピュータ」や「エディタ」のように長音を省略することもあります。これは、日本語の中で自然に発音しやすいようにするため、または単語を短くするためです。
ご存知でしたか?3音ルール
さらに、一般的には、3音以上の単語には長音記号をつけない「3音ルール」が適用されることが多いようです。
基本ルールは以下の2点です。
その言葉が3音以上の場合には、語尾に長音符号を付けない。
ブラウザ、プリンタ、スキャナ、ドライバ、フォルダ、モニタ など
その言葉が2音以下の場合には、語尾に長音符号を付ける。
キー、バー など
このルールは、特に電気や電子、情報、通信、機械の分野ではよく適用されます。その理由として、2008年まではJIS(旧・日本工業規格)Z8301において、3音ルールを用いた基準で長音記号を付ける / 付けないを規定していたことも挙げられます。
しかし、現在ではこのルールは必ずしも厳密に適用されるわけではなく、文化庁のガイドラインや各企業の内部ルール、または一般的な慣習に従って長音の有無が決まることが多いです。
内閣告示
3音ルールと反対のことを言っているのが国語審議会の報告をもとに告示された内閣告示です。
ざっくり申し上げますと「英語の語末の-er,-or,-arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号一を用いて書き表す」と言う内容です。こちらの方が実際の音と文字が近いような気がします。
当時、マイクロソフトもこれを受けて、マニュアルなどの表記を「コンピューター」に変えたということがニュースになりました。
おわりに
言葉はコミュニケーションのためのツールです。大切なのは読み手や聞き手が理解できるかどうかが大事だと私は考えます。ですから、自分が話すときや書くときには、自分の言葉が相手に伝わるように工夫すること(思い遣り)が大切だと思います。
今のところ、私の中での長音を付ける / 付けないは英語表記や英語の発音を元に決めるようにしています。
参考文献
この記事は以下の情報を参考にして執筆いたしました。本当にありがとうございました。
長音表記のルールについて、より具体的に綴られていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。